よくわからん答案2

民法演習サブノート 答案?

第1問 民法の基本原則
1 ⑴について
 Aは所有権に基づく妨害排除請求権を行使することが考えられる。
 これに対して、B市はAが未成年であることを理由に請求を拒絶することを主張する。


2 ⑵について
 Aは所有権に基づく妨害排除請求権を行使することが考えられる。
 これに対して、B市は

3 ⑶について
 B市はAに対して、地上権を設定するように請求する。
 では、Aに上記の設定に応じる義務があるか。
 私的自治の原則がある以上、何の根拠もなく地上権の設定に応じる義務はない。

4 ⑷について
 
 権利濫用(1条3項)にあたるため、認められない。


5 ⑸について
 B市はAの親から地上権の設定を受けたこと(269条の2第1項)をAに対して主張することが考えられる。
 これに対して、Aは上記の地上権には登記がないため、B市はAに対して地上権を対抗できないと主張する(177条)。
 さらにAの上記主張に対して、B市はAは177条にいう「第三者」にあたらないと反論をする。
 「第三者」とは、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者をいう。単なる悪意者は「第三者」に含まれるものの、登記の欠缺を主張することが信義則に反するような背信的悪意者は「第三者」に含まれない。
 本件の Aは? 

 よって、

 
第2問 
1 小問⑴
 契約の当事者となるためには、私権が必要である。そして、私権を得るのは生まれた時にえらえれる()。
 2017年8月の時点では、Aは生まれていないため、Aは私権を得ていない。そうすると、Aは契約の当事者となることができない。
 よって、Aは本件の契約の当事者となることができず、本件の契約は無効となる。
2 小問⑵
⑴ 前段について
 胎児は相続については生まれたものとみなされる(886条1項)。
 そうすると、AはCの権利義務を相続することになる。そのため、Cの相続人はBのAの二人となる。そして、相続分はそれぞれ2分の1ずつとなる。
⑵ 後段について(条文引け)
 胎児が死亡して生まれた場合には、886条1項の適用はなく、胎児は相続について生まれたものとはみなされない(886条2項)。
 本件のAが死亡して生まれた場合には、Bの相続人はBとEの二人となる。そして、相続分はそれぞれ2分の1ずつとなる。
3 小問⑶
 不法行為に基づく損害賠償請求(709条)について、胎児は生まれたものとみなされる(721条)。
 そうすると、Cの死亡にかかる損害賠償請求権については、Aは生まれたものとみなされ損害賠償請求権を有することになる。
 では、Bが締結した本件の和解契約は認められるか。(争いあるっぽいな)
 判例停止条件説。解除条件説もある。


第3問
1 小問⑴
 CはAに対して売買契約(555条)に基づく代金100万円の支払い請求をすることが考えられる。
 これに対して、 Aは自身が意思無能力者であるから売買契約は無効であると主張する(3条の2)。
  40年前に結婚したことを忘れていることは異常であり、このような状況では意思能力を欠いていると言わざるをえないと考えられる。
 よって、Aは自身が意思無能力を理由として代金の支払いを拒むことができる。

2 小問⑵
 手段として、成年後見制度(8条)、補助制度(11条)、補佐制度(15条)が考えられる。
 これらは法律行為を行う能力を制限するものである。

3 小問⑶
 任意後見契約は、任意後見契約法に定められている。任意後見契約が効力を生ずるには、本人の事理弁識能力が不十分な状況になった後に、家庭裁判所が、受任者を監督する者を選任しなければならない。


第4問
1 小問⑴
 CまたはDはAの法定代理人(824条?)として、AB間の売買契約を取り消すことを主張する(5条2項)。
 Aは17歳の未成年(4条参照)であるから、法律行為を行う場合には、法定代理人の同意を得なければならない(5条1項本文)。しかし、AはCとDの同意を得ていない。また、AB間の売買は「単に権利を得、又は義務を免れる法律行為」にも当たらない(5条1項ただし書)。
 よって、CまたはDはAB間の売買契約を取り消すことができる。
2 小問⑵
⑴ 前段について
 取り消された行為は初めから無効であったとみなされる(121条1項)。そして、無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は原状回復義務を負う(121条の2第1項)。
 そうすると、AはBに甲を返還する義務を負い、Bは20万円をAに返還する義務を負う。そして、両者は同時履行の関係となる(533条)。
⑵ 後段について
ア 甲が破損していた場合
 行為の時に意思能力を有しなかった者はその行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う(121条の2第3項)。
 甲が破損していた場合、Aは何の利益も受けていないといえる。
 よって、甲が破損していた場合、Bは何らの返還義務を負わない。 
イ 甲をEに売却していた場合
 現存利益はどのように解すべきか。
 ???
 よって、AはBに対して5万円を返還する義務を負う。
3 小問⑶
 法定代理人が処分を許した財産を処分する場合には、法定代理人の同意は不要となる(5条3項)。
 CおよびDはAに対してアルバイトで稼いだお金は自由に使用してよいと述べていたため、Aがアルバイトで稼いだお金は処分を許された財産といえる。そうすると、Aはアルバイトで稼いだお金をCおよびDの同意なく処分できるため、AB間の売買は取り消すことができない。
 よって、CまたはDはAB間の売買を取り消すことはできない。
4 小問⑷
⑴ 前段について
 Aが売買契約書に年齢を「20歳」と記載した行為は、「詐術」にあたるため、AB間の売買を取り消すことはできないのではないか(21条)。
 「詐術」には、人を欺くに足りる言動を用いて相手方の誤信を誘起し、または誤信を強めた場合も含まれる(最判S44.2.13)。
 契約書の年齢の欄に虚偽の事実を書くことは考え難いため、契約書の年齢の欄に虚偽の事実を書くことは「詐術」に当たるといえる。
 したがって、Aが売買契約書に年齢を「20歳」と記載した行為は、「詐術」にあたる。
 よって、CまたはDはAB間の売買を取り消すことができない。
⑵ 後段について 
 法律行為の相手方が誤信していないような場合には、「詐術」には当たらないと解される。
 本件のBはAが未成年者であることを知っていたため、Aが売買契約書に年齢を「20歳」と記載した行為は「詐術」にあたらない。 
 よって、CまたはDはAB間の売買契約を取り消すことができる。

第5問
1 小問⑴
 補助の審判を申し出る。
2 小問⑵
 保佐の審判を申し出る。
3 小問⑶
 成年後見制度を使う
4 小問⑷
 補助や保佐の場合には、裁判所から代理権を付与される必要がある。
 成年後見制度の場合には、包括的な代理権を有する。


第6問
1 小問⑴
  Aは本件契約を取り消し(17条4項)を取り消し、原状回復請求として本件登記の抹消登記手続き請求をする(121条、121条の2第1項)。
 これに対して、Cは同時履行の抗弁を主張する(533条類推)
 契約が無効になる場合には、当事者の双方が原状回復義務を負い、公平の観点から同時履行の抗弁は認められると解される。
 よって、Xによる同時履行の主張は認められる。
 
2 小問⑵
 Aは本件契約をを取り消し(17条4項)を取り消し、原状回復請求として本件登記の抹消登記手続き請求をする(121条、121条の2第1項)。
 これに対して、CはAは「詐術」を用いていることから、本件契約を取り消すことはできないと主張することが考えられる(21条)。
 「詐術」には、人を欺くに足りる言動を用いて相手方の誤信を誘起し、または誤信を強めた場合も含まれる(最判S44.2.13)。
 本件のAは補助人Bと称していたDに対して何の行動をとらずに、本件契約を締結するに至ったている。これは、CがDをAの補助人であるという誤信を強める行為であったといえる。
 したがって、Aは「詐術」を用いているといえ、Cの反論は認められる。
 よって、Aの請求は認められる。


第7問
1 小問⑴
 金銭債務の履行は原則として、債権者の住所地である(484条1項)。そして、住所地は各人の本拠であり(22条)、生活の本拠は問題となる法律関係に即して客観的に判断される。
 本件のBはAに対して貸金返還債務という金銭債務を負っている。そのため、BはAの住所地で金銭債務を履行しなければならない。そして、Aの住所地は甲土地にある一戸建ての住宅である。
 よって、Bは甲土地の一戸建ての住宅で返済すべきである。
2 小問⑵
⑴ Aが財産管理人を置いていた場合
 不在者の財産は財産管理人が行うことになる。
 本件のAについて管理人がいた場合、その者がAの財産を管理することがなる。
⑵ Aが財産管理人を置いていなかった場合 
 不在者に管理人がいない場合には、家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求により、不在者の財産管理について必要な処分を命ずることができる(25条1項)。
 そして、選任された管理人が財産を管理することになる。
3 小問⑶
 失踪宣告は不在者の生死が7年間明らかでないときに利害関係人の請求により家庭裁判所が行う(30条1項)。
 本件のAは消息を絶ってからすでに10年が経過しているため、「生死が七年間明らかでない」といえる。
 以上のことから、利害関係人の請求があった場合には、Aについて失踪宣告がされることがある。
4 小問⑷
 失踪宣告を受けた者は、30条1項の期間が満了した時にした時に死亡したものとみなされる(31条)。
 本件のAについては、消息を絶ってから7年が経過した時に死亡したものとみなされ、その時に相続が開始する(882条)。


第8問
1 小問⑴
 Aについて失踪宣告がなされているため、Aは権利義務の主体となることができないとも思える。
 しかし、失踪宣告の制度趣旨は、失踪者の従来の住所・居所を中心とする法律関係を清算することにあり、生存している失踪者が現在の住所・居所で法律関係を形成する資格まで否定するものではない。
 この趣旨から、Aは権利義務の主体となることができる。
 よって、EとAの契約は無効にならず、Eとの契約に基づくAの権利取得は否定されない。

2 小問⑵
 失踪宣告が取り消された場合、失踪宣告の効果は遡及的に消滅する。もっとも、善意である場合には、行為の効力に影響を及ぼさない。そして、善意は当事者双方に要求される。
 本件では、BはAが生きていたことについて善意であるものの、CはAが生きていたことについて悪意である。そのため、
よって、AのCに対する甲建物の返還請求は認められる。
3 小問⑶
 失踪宣告の取り消しにより、行為の効力が無効となった場合、原状回復義務を負う。
 もっとも、返還の範囲は現存利益に限られる(32条2項ただし書)。
 本件では、200万円は遊興費に費やしており、この分は現存利益に含まれない。未だ支出していない1000万円及び生活費として消費した800万円については現存利益に含まれる。
 よって、AはBに対して1800万円を返還するように請求することができる。
4 小問⑷
 失踪宣告が取り消された場合に、失踪宣告がなされる前の婚姻の効力をどのように解すべきか。
 前婚が復活するとも思える。しかし、婚姻は当事者の真意を特に尊重すべきであるから、後婚当事者が悪意でも後婚の存続を望むのであれば、婚姻の効力を認めるべきである。そこで、後婚のみが存続し、前婚は復活しない。
 そうすると本件では、AB間の婚姻関係は復活せず、BD間の効力が引き続き継続する。


第9問 (条文を引きなさい)
1 小問⑴
 Bが先に死亡した場合、Bの相続人はAとCになる(889条1項1号、900条4号)。そして、AとCはそれぞれ2分の1ずつ相続するため、Bが残していた900万円の財産を450万円ずつ相続する。
 その後、Aが死亡しており、Aの相続人はDとCになる(889条1項1等、890条1項、900条2号)。そして、両者の相続分はそ3分の2と3分の1であるから、Cは3450万円の3分の2である2750万円を相続しDは1150万円を相続する。 
2 小問⑵
 Aが先に死亡していた場合、Aの相続人はC及びBととなる。
 そして、CとBはそれぞれ2分の1ずつ相続することになるため、Aの残した財産を1500万円ずつ相続する。
 その後Bが死亡しており、Bの相続人はCのみとなる。BはAから相続した1500万円と自己の財産900万円を有しており、Cはこれら全てを相続する。
3 小問⑶
 同時に死亡した場合、Aの相続人はDとCであり、Bの相続人はCのみとなる。
 そうすると、AについてはCとDが3分の2と3分の1を相続するため、Cは2000万円を相続し、Dは1000万円を相続する。そして、Bについては、900万円を全てCが相続する。
4 小問⑷
 複数の者の死亡の前後関係が明らかでない場合、同時に死亡したものと推定される(32条の2)。
 そのため、小問⑶と同様にAについては、Cが2000万円、Dが1000万円を相続する。そして、BについてはCが900万円を相続する。


第10問
1 小問⑴
 法人は定款その他の基本約款で定めた目的の範囲内について権利義務を負う(34条)。
 目的の範囲内の行為は定款に明示された目的に限定されず、その目的の遂行の上で直接または間接に必要な行為がすべて含まれる。そして、目的遂行上の必要性は、問題となる行為の性質を客観的・抽象的に観察して判断される。
 Aは定款において、「鉄鋼の製造、販売及びこれに付帯又は関連する一切の事業」を目的として定めている。そして、B党への政治献金は、Aの事業を行うという目的の遂行の上で間接に必要な行為といえる。
 よって、Aの寄付は目的の範囲内の行為といえる。
2 小問⑵
 法人は定款その他の基本約款で定めた目的の範囲内について権利義務を負う(34条)。
 Cは農業協同組合であり、定款において「組合員の事業又は生活に必要な資金の貸付け」を目的としている。非営利法人の目的は鋭利法人の場合よりも厳格に解すべきである。
 Dは組合員ではないから、Dに対する貸付は目的の範囲に含まれない。
 よって、Cの行為は目的の範囲外の行為である。
3 小問⑶
 法人は定款その他の基本約款で定めた目的の範囲内について権利義務を負う(34条)。
 Eは税理士会であり、その目的は「〜〜」である。
 政党への寄付は目的には含まれない。 
 よって、EのFへの寄付は目的の範囲内の行為とはいえない。
 そして、Fの主張は妥当なものである。